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ジャノ 2014 / ヤン・ドゥリュー

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Description

Jeannot 2014 / Yann Durieux

※こちらはお一人様一本でお願いいたします。

インポーターさんから大変思入れの強い文書を頂いております。少し長くなりますが、凄く素敵な文書なので宜しければ最後までお読みください。


日々、自然と対峙している造り手だからこそ、自然の偉大さをよく理解していて、だからこそ自然派に限らず多くの造り手が、理想のワイン造りを「テロワールの表現」に求めるのでしょう。しかしながら、人間の都合など考えてくれない自然と対峙して仕事をするのは、想像を絶する困難があります。自然派ワインの造り手たちは、その困難さをある意味で受け入れ、できることを尽くすことで、自然からの恵みをボトルに封じ込めようとしています。 特に困難な状況に直面したときに、「自然には敵わない」誰しもが口々にそう話します。しかし、そんな自然の偉大さを超越したワインに出会いました。そのワインが教えてくれたのは、自然よりももっと力に満ちたものがあるということです。それは、人間の愛です。

今日の主人公は、ヤン ドゥリュー。オート コート ド ニュイという土地を愛し、その土地のポテンシャルを最大限、いや多くのワイン関係者が想像している以上のレベルまで引き出し、途方もなくエモーショナルなワインを生み出している、稀代の感性の持ち主です。彼のワイン造りに関して、以前から疑問に思っていたことがありました。それは、なぜブルゴーニュという土地を選んだのかということです。もちろん、彼がこの地域の出身であることは知っていたのですが、フィリップ ジャンボンに比肩するハイリスク・ハイリターンなワイン造りに取り組む場所としては、そのリスクの振れ幅が大きすぎる土地でもあります。

実は、ヤンの両親もこの地域でブドウ畑を所有しています。しかし、彼が自身のドメーヌを始めるときに、その土地を譲り受けることも貸与されることもなかったといいます。どんな事情かはわからないのですが、あまり両親と仲が良くないのが理由とのことでした。そんななかで、大きな経済的なリスクを取りつつ、ブルゴーニュでの、そしてオート コート ド ニュイでのワイン造りに彼がこだわった理由があます。

「なぜブルゴーニュでなければいけなかったのか。」

とらえどころのない、それでいて心の底に重く深く沈んでいる疑問を晴らしてくれるのは、いつも、彼らとともに畑に立ち、語り、グラスを傾ける時間です。ヤンの祖父が、オート コート ド ニュイの地で畑を切り拓き、ヤンの家族はブドウ栽培者としての営みを始めます。子供の頃から大好きな祖父とともにブドウ畑を駆け回って遊んだというヤン ドゥリュー。彼にとっては、その畑こそが人生の喜びに満ちた場所であり、畑で生きていくことは必然だったと言います。自身が少年時代を過ごし、祖父との思い出が溢れる場所。それが偶然ブルゴーニュであり、オート コート ド ニュイだったのです。彼にとっては、ブルゴーニュの権威主義的なヒエラルキーは意味がありませんでした。

この土地こそが彼の人生で最も大切な場所であり、その畑からブドウを収穫し、ワインを手がけることが人生の目的だったとさえ言えるでしょう。そんなヤンにとってひときわ思い入れの深い畑があります。それは、ヤンの祖父が開墾し、ヤンが少年時代を祖父と遊んで過ごした畑です。この畑は、彼にとってはグランクリュ以上に大切な畑です。彼はこの畑のブドウでワイン造りを行うことを夢見ていました。しかしながらこの畑は、関係が良好でない両親が所有しており、夢を実現することができません。

そんなヤン ドゥリューは、祖父との思い出が詰まったこの畑の「隣の畑」を手に入れます。手に入れたこの畑は、祖父が開墾したものではないのでしょう。しかしながら、祖父との思い出の畑に隣接するこの畑で、大好きな祖父に思いを馳せながら、畑仕事にあたります。ヤン ドゥリューにとってのグランクリュの中のグランクリュである祖父の畑に隣接する区画ですから、その存在はDRCで言うところのラ ターシュのような存在。この畑で、彼の誠心誠意の仕事とありったけの愛をつぎ込まれて生まれたワインが、今回ご紹介する「ジャノ」です。キュヴェ名の「ジャノ」は、愛する祖父のあだ名から名付けられました。2014年が初ヴィンテージとなり、総生産量はバリックで4樽ほど。ヤン曰く「1樽が試飲用だとして(といいつつ私達のような来訪者と飲み干していきます)、1樽は自分用。2樽だけ売ることになるかな。」

はじめてこのワインを試飲したときのことを今でも鮮明に覚えています。オート コート ド ニュイの区画のなかでも、ヤン ドゥリューなりの畑の格付けがあり、レ ポン、プルミエ ポン、グラン ポンとそのヒエラルキーの階段をあがるごとに複雑味と表現力が増していくのですが、そのピラミッドの先にはアペラシオンこそ名乗っていませんが、ジュヴレ シャンベルタンなどの村名クラスのワインが、さながらグランクリュのようにその尊大さを樽試飲の段階で見せつけてくれます。そんな事実上のグランクリュの後に登場したジャノ。区画の格付けは当然オート コート ド ニュイ(そしてもちろんアペラシオンは取得していない)ですし、祖父との思い出の畑のあくまで「隣」の畑なわけですが、そんなのお構いなしと、ヤン ドゥリューの人生そのものが投影されたかのような重厚な趣とどの彼のワインも凌駕する圧倒的なまでのエモーションを放っています。

まさに「筆舌に尽くしがたい」というのが率直な味わいの感想ですが、眼の前のワインと対峙した時に湧き出るように感じた感動は、過去に数えるほどしか例のないものでした。またそのワインが生まれた背景を知れば知るほど、その奇跡に感動をおぼえます。オート コート ド ニュイのとあるひとつの畑から生まれたワインが、そのテロワールから期待されるものを突き抜けるほどに凌駕した表現力を備えており、至宝のようなブルゴーニュの最上のワインたちと比肩する品格と奥深さを備えている事実。そして、それが純粋な自然派ワインの手法(ヤン ドゥリューは自然酵母での発酵はもちろん、瓶詰めに至るまで二酸化硫黄の添加を行いません)から生まれ、もしその品質を裏打ちするものがあるとすれば…それは造り手自身の愛でしかないということ。

ヤン ドゥリューの祖父への深い愛は、テロワールの可能性を超越させ、人間が調伏することのできない自然というものの限界すら超えさせる。これらを目の当たりさせられた本当に稀有な体験でした。「単なるオート コート ド ニュイ(ですらなくVDF)にこの価格はありえない。」と皆さんは感じられると思います。しかし、ヤン ドゥリューが、このまごうことなきトップキュヴェになぜこの価格を付けたのか、そこに思いを馳せ、共感し、共鳴すれば、その意味するところはすぐさま理解できると思います。

試飲の際、ヤンにはどこか「値段が理由に売れなくても気にしない」と思っている節がありました。しかしひとたび口にすると、その抗することのできない魅力に、価格は彼のプライドが込められたものだと理解できました。わたしには、このワインが、ブルゴーニュの地のグランクリュのなかのグランクリュ、誰しもが知っている最も高級な銘醸ワインに比肩するワインであると、ヤン ドゥリューが静かに語っているように感じられます。

その真偽は皆様自身でぜひ審判をして頂きたいと思います。現時点でも膨大なポテンシャルとエネルギーとエモーションに満ちたワインであり、その将来には無限の可能性を秘めたワインであることは確かです。一生かけて付き合っていける。本当に数少ない特別なワインだと思います。(インポーター資料より)

生産地域
フランス(ブルゴーニュ)
生産者
タイプ フランス(生産者別) ブルゴーニュ(生産者別) ヤン・ドゥリュー
タイプ
タイプ フランス(生産者別) ブルゴーニュ(生産者別) ヤン・ドゥリュー
品種
ピノ・ノワール
容量
750ml
購入数
価格
58,300円(税込)
SOLD OUT

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